大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(ネ)568号 判決

控訴人がその有する意匠権に基いて、被控訴人に対し、それぞれ請求の趣旨に記載した物品の製作、販売又は拡布の禁止及び謝罪広告をなすべきことを求める控訴人の本訴請求は、次の事項を付け加える外、原判決記載の理由と、全く同一の理由に基いて、失当なものと認めるから、右の記載を引用して、これを棄却すべきものとする。

意匠権の権利の内容は、意匠登録証における登録請求の範囲の記載によつて決定すべきところ、その成立に争のない甲第一号証の一ないし七によれば、本件意匠登録証の登録請求の範囲には、いずれも「添附図面に示す通りのナイフの形状模様及色彩の結合」と記載せられ、その添附図面には、原判決が詳細に認定したような形状、色彩及び模様のナイフが記載されていることが認められる。

してみれば控訴人の有する本件意匠権は、それぞれ、これらの形状、色彩及び模様を結合した意匠のナイフについてのみ認められ、「登録請求の範囲」を特定の形状(甲第十四号証の一ないし四)、特定の模様(乙第十二号証)、または特定の形状及び模様の結合(乙第十、十一号証、第十三号証)のみとなした場合とは、その及ぶ範囲に、おのずから、広狭の差異を生ずることは、意匠権が登録によつて発生し、意匠法施行規則第一条が、願書に「登録請求の範囲」を記載することを定めた趣旨によつても明白であつて、このことは、また控訴人が同一の形状を有し、色彩及び模様を異にする本件七ツの意匠について、それぞれ独立した意匠の登録を受けていることによつても、十分知られるところである。

以上認定にかゝる見地に立つて、被控訴人等が製作、販売、拡布する別紙目録第二、第三の各ナイフを観察すれば、これらは、いずれも、当裁判所が引用する原判決の記載と同一の理由によつて、控訴人の登録意匠にかゝる物品と類似しないものと解するを相当とする。

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